【世界遺産】01世界遺産の基礎知識

こんにちは、世界遺産検定マイスターのみや兄です🐥

今日から3月13日までは世界遺産検定2級合格に向けての勉強シリーズです。

「くわしく学ぶ世界遺産300 世界遺産検定2級公式テキスト」を中心に自分の苦手ポイントメモなどを加えていきたいと思います。

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今日は第1回目ということで「世界遺産の基礎知識」です。

実は世界遺産の基礎知識だけで全体の20%を占めているので大事です。私は苦手なところなので情報を整理することに注力したいと思います。

■世界遺産条約(8章 全38条)

①文化遺産や自然遺産の定義作成

②世界遺産リストと危機遺産リストの作成

世界遺産委員会や世界遺産基金の設立

④世界遺産の保護・保全義務は保有国

⑤締約国による教育・広報活動の重要性

①~⑤は内容を簡単に覚える。④⑤が重要。世界遺産条約の意義や役割を考えてみるとわかりやすいし覚えるべきところが理解しやすいかも。

wikipedia→世界遺産条約

■世界遺産誕生までの流れ

①1931年 アテネ憲章採択

→記念物や建造物の保存や修復に関する基本的な考え方を示した。

→修復方法については近代的な技術や材料の使用を認めている点が世界遺産条約と異なる。

■後に出てくる「真正性 」という考えに繋がる。順序を覚える上では第二次世界大戦より前の出来事。

wikipedia→アテネ憲章

②1945年 第二次世界大戦終結→ユネスコ憲章採択

→第二次世界大戦を教訓に平和な世界を築くための国際機関を築くことに合意。

→翌1946年には20ヵ国が批准し11月4日にユネスコ憲章が発効。

■第二次世界大戦の悲惨さが平和のためへ~という流れを作る。

Wikipedia→ユネスコ憲章

③1948年 IUCN設立

→IUCN=国際自然保護連合

→本部はスイスのグラン

自然遺産について調査と調査報告をする。

■後に出てくるICOMOSICCROM①設立時期や②本部の地名、③簡単な役割を区別する。

Wikipedia→IUCN

④1954年 ハーグ条約採択

→ハーグ条約=武力紛争の際の文化財の保護に関する条約

→第二次世界大戦で、遺産や建造物の保存の重要性とその保護の難しさに直面。

→国際紛争や内線、民族紛争などの非常時において文化財を守るための基本的な方針が定められる。

ハーグ条約という名称の条約は多いので混同しないようにする。

wikipedia→ハーグ条約

⑤1959年 ICCROM設立

→ICCROM=文化財の保存及び修復の研究のための国際センター

→本部はイタリアのローマ

→不動産と動産両方の文化遺産の保全強化を目的とした研究や記録の作成・助言、技術支援、技術者や専門家の養成、普及・広報活動を行う

ICCROM(1959)は「IUCN=自然遺産(1948)」と 「ICOMOS=文化遺産(1965)」の間

Wikipedia→ICCROM

⑥1960年 ヌビアの遺跡群救済キャンペーン

ヌビア地方にある「アブ・シンベル宮殿」や「フィラエのイシス神殿」をダム湖に水没させないため。

エジプトのナセル大統領がユネスコに救済依頼

→1960年に遺跡救済キャンペーンは開始

→1964年には本格的な募金活動がはじまる。

一国の遺産の救済に50ヵ国もの国々や民間団体、個人が協力。

「人類共通の遺産」という理念が生まれ、後の世界遺産条約の理念につながる。

過去問にも多く出ていたので内容を覚える。地味に「水没する」のところが「砂に埋もれる」という誤答選択肢になっていたので気をつける。

Wikipedia→ヌビア遺跡

⑦ 1964年 ヴェネツィア憲章採択

アテネ憲章を批判的に継承

→修復の際は建設当時の工法や素材を尊重すべきとする「真正性」という概念が示される。

■ヴェネツィア憲章=「真正性」。アテネ憲章から33年後と覚えることにした。

Wikipedia→ヴェネツィア憲章

⑧ 1965年 ICOMOS設立

→ICOMOS=国際記念物遺跡会議

→本部はフランスのパリ

文化遺産について調査と調査報告をする。

■上述のIUCNとICCROMとの区別。「真正性のヴェネツィア憲章後設立」と覚える

Wikipedia→ICOMOS

⑨1972年 世界遺産条約採択

→第17回ユネスコ総会で採択。(内容は上述)

⑩1978年 最初の世界遺産12件が誕生

→2/23記事掲載予定→世界で最初の世界遺産

⑪1992年 日本が世界遺産条約締結/ユネスコの世界遺産センターが設立/文化的景観採択

→日本は締結は遅く125番目の締結国

→アメリカがユネスコを脱退している現在は日本が最大のユネスコ分担金拠出国

◯世界遺産の推薦候補を暫定リストから決めるのは?

→文化財保護法の保護下のもの=文化庁

→稼働中の産業遺産など=内閣官房

→自然遺産=環境省と林野庁が協議

⇒それぞれの推薦候補から「世界遺産条約関係省庁連絡会議」でユネスコの世界遺産センターへ推薦する候補が選出。

◯世界遺産センターについて

パリのユネスコ本部内に常設

→世界遺産委員会事務局を担う。

→推薦書の受理や登録、世界遺産委員会の運営、世界遺産及び世界遺産条約の広報活動などを行う。

■後述の「世界遺産登録までの流れ」の中での役割を確認する。

Wikipedia→世界遺産センター

◯文化的景観→3つのカテゴリー

(1)意匠された景観

(2)有機的に進化する景観

(3)関連する景観

Wikipedia→文化的景観

⑫1994年 グローバル・ストラテジー採択

世界遺産リストの不均衡を是正するための戦略。

→選考基準の見直し

世界遺産を持たない国からの強化

先史時代や現代の遺産の登録強化

■①~⑫の順番を覚えるのが苦手なので前後の内容をうまく繋げながら流れとして覚えるようにしたい。年代と設立されたものの流れをつかめば情報が整理できて引き出しやすいはず。

■世界遺産登録の条件(5つ)

遺産を保有する国が世界遺産条約の締結国であること。

遺産があらかじめ各国の暫定リストに記載されていること

遺産を保有する締約国自身からの推薦であること。

遺産が不動産であること。

遺産が保有国の法律などで保護されていること。

→「顕著な普遍的価値」があり「真正性」「完全性」が明らかで「世界遺産条約履行のための作業指針」で定められた10項目の登録基準のうち1つ以上当てはまるものが世界遺産リストに記載される。

「真正性」=建造物や景観がそれぞれの文化的背景の独自性や伝統を継承していることが求められる概念。

→修復の際に特に大事。

「完全性」=保全計画や法体制、充分な広さ、予算、人員など世界遺産の顕著な普遍的価値を構成するために必要な要素がすべて揃っていることが求められる概念

■①~⑤の5条件、「世界遺産条約履行のための作業指針」「真正性完全性」がキーワード。

■登録基準(10項目)

(Ⅰ)人類の創造的資質を示す遺産

(Ⅱ)文化交流を示す遺産

(Ⅲ)文明や時代の証拠を示す遺産

(Ⅳ)建築技術や科学技術の発展を証明する遺産

(Ⅴ)独自の伝統的集落や、人類と環境の交流を示す遺産

(Ⅵ)人類の歴史上の出来事や伝統、宗教、芸術と関係する遺産

「負の遺産」は(Ⅵ)のみで登録されることがある。

(Ⅶ)自然美や景観美、独特な自然現象を示す遺産

→日本の遺産は「屋久島」のみ

(Ⅷ)地球の歴史の主要段階を証明する遺産

→日本の遺産は認められた遺産はない

(Ⅸ)動植物の進化や発展の過程、独自の生態系を示す遺産

→日本の遺産は自然遺産4つとも認められている。(屋久島/白神山地/知床/小笠原諸島)

(Ⅹ)絶滅危惧種の生息域で、生物多様性を示す遺産

→日本だと「知床」のみ

■(Ⅰ)~(Ⅵ)が文化遺産 (Ⅶ)~(Ⅹ)が自然遺産。下記動画がとても参考になります。

■世界遺産登録の流れ

各国政府

→世界遺産条約を締結

→自国の暫定リストを作成・提出

→要件が整ったものを推薦

◯世界遺産センターへの推薦については1年に1件提出期限は2月1日まで

世界遺産センター

→各国政府からの推薦書受理

→物件の現地調査を依頼

◯文化遺産はICOMOS、自然遺産はIUCNに専門調査を依頼。

IUCN(自然遺産)/ICOMOS(文化遺産)

→調査

→調査結果を報告

◯最終的な審査結果と評価報告書は推薦書提出期限翌年に開催される世界遺産委員会の6週間前までに世界遺産センターに提出される。

世界遺産センター

世界遺産委員会

→候補地を調査し世界遺産リストへの記載を決定。

◯「登録」「情報照会」「登録延期」「不登録」の4段階で決議される。→「登照延不」で覚える。

◯世界遺産委員会について

21ヵ国で構成。1年に1度開催される政府間委員会。

委員国の任期6年

自発的に4年で任期を終えること

次の立候補まで6年を空けること。

(以上は各締約国に均等に機会が与えられるように。)

■世界遺産委員会の役割と世界遺産センターの役割を混同しないようにする。あとは「次回の開催国」と「推薦される日本の遺産」はチェックしておくのが大事。

Wikipedia→世界遺産委員会

■世界遺産基金

→ユネスコに救済財政規則に基づく信託金

→世界遺産基金は世界遺産委員会が決定する目的のみ使用することができる。

「緊急援助」=大規模な災害や紛争による被害への援助

「準備援助」=推薦書や暫定リストを作るための援助

「保全・管理援助」=専門家や技術者の派遣や保全に関する技術提供のための援助

■上記の「3つの援助」の名称と内容の確認。

■人間と生物圏計画(MAB計画)

1971年にユネスコが立ち上げた研究計画。

◯保護すべき自然を生物圏保存地域として3段階の区域に分けて重層的に保護。

「核心地域」(コア・エリア)

「緩衝地帯」(バッファー・ゾーン)

「移行地帯」(トランジション・エリア)

→世界遺産はバッファーゾーンの概念をとっている。

■「世界遺産そのものだけでなく、周りも保護していきましょう」の精神と覚えた。

■トランスバウンダリーサイト/シリアルノミネーション

2/25に記事更新→トランスバウンダリー・サイト/シリアルノミネーション

■危機遺産

「危機にさらされている世界遺産リスト」に記載されている遺産

→1979年地震により モンテネグロの「コトルの文化歴史地域と自然」が初めて危機遺産リストに。

◯危機遺産リストに載る一例

→自然災害や紛争・戦争による遺産そのものの破壊

→都市開発や観光開発による景観悪化

→密猟や違法伐採による環境破壊

◯危機遺産リストに記載された場合

→保有国は保全計画の作成と実行が求められる

→世界遺産基金の活用や各国の政府、民間機関から財政的・技術的援助を受けることが可能。

→顕著な普遍的価値が損なわれたことで「アラビアオリックスの保護地区(オマーン)」や「ドレスデン・エルベ渓谷(ドイツ)」が世界遺産リストから抹消されている。

■無形文化遺産、世界の記憶

「無形文化遺産」=口承による伝統や表現ら伝統芸能や祭礼、慣習、工芸技術などの無形の遺産を保護。

→日本からは「人間浄瑠璃文楽」「歌舞伎」「能楽」「山・鉾・屋台行事」などが代表一覧に登録。

Wikipedia→無形文化遺産

「世界の記憶」=書物や楽譜、手紙などの記録物を保護。

→日本からは「山本作兵衛の筑豊炭田図」「朝鮮通信使関連資料」など

Wikipedia→世界の記憶

おわりに

以上、長くなりましたが世界遺産の基礎知識のお話でした。

私は「世界遺産誕生までの流れ」や「世界遺産登録の流れ」が苦手なのできちんと覚えたいところです。基礎知識は配点も大きいので重要です!

明日は日本の遺産についてを書きたいと思いますのでよろしくお願いします。

ではではー🐥

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