【世界遺産】4時間目 世界遺産の定義
こんばんは、世界遺産検定マイスターのみや兄です!世界遺産検定1級合格に向けての勉強シリーズです。
公式テキストである「すべてがわかる世界遺産大事典(上)(中)(下)」を中心に自分の苦手ポイントメモなどを加えていきたいと思います。
【世界遺産検定1級 公式テキスト】
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Amazon⇒すべてがわかる世界遺産1500(中巻)
Amazon⇒すべてがわかる世界遺産1500(下巻)
今日は4時間目ということで「04世界遺産の定義」です
■世界遺産の定義
◯顕著な普遍的価値
・顕著な普遍的価値(Outstanding Universal Value)
・頭文字からOUVとも呼ばれる。
・国家や文化、民族、宗教、性別などという枠組みを越え、人類全体にとって現在だけでなく将来世代にも共通した重要性を持つような傑出した文化的な意義や自然的な価値を意味する。
・真正性や完全性、法的な保護やバッファー・ゾーンの設定を含む保全管理、登録基準との適合が含まれる。
◯文化遺産
・人類の歴史が生み出した記念物や建造物群、文化的景観などで、登録基準(Ⅰ)~(Ⅵ)のいずれか1つ以上を認められている遺産。
①記念物=建築物、記念的意義を有する彫刻及び絵画、考古学的な性質の物件及び構造物、金石文、洞窟住居ならびにこれらの物件の組み合わせで、歴史上、芸術上または学術上、顕著な普遍的価値を有するもの。
②建造物群=独立または連続した建造物の群であって、その建築様式、均質性または景観内の位置のために、歴史上、芸術上または学術上、顕著な普遍的価値を有するもの。
③遺跡=人工の所産(自然と人間の共同作品を含む)及び考古学的遺跡を含む区城であって、歴史上、芸術上、民俗学上または人類学上、顕著な普遍的価値を有するもの。
◯自然遺産
・地球の生成や動植物の進化を示す、地形や景観、生態系などで、登録基準(Ⅶ)~(Ⅹ)のいずれか1つ以上を認められている遺産。
①無生物または生物の生成物・生成物群からなる特徴のある自然の地域であって、美観もしくは自然科学の観点から、顕著な普遍的価値を有するもの。
②地質学的または地形学的形成物、及び脅威にさらされている動物または植物の種の生息地・自生地として区域が明確に定められている地域であって、自然科学もしくは保存の観点から、顕著な普遍的価値を有するもの。
③自然の風景地及び区域が明確に定められている自然の地域であって、自然科学、保存もしくは美観の観点から、顕著な普遍的価値を有するもの。
※ここの条文からも2021年12月試験で出たので抑えておく。
◯複合遺産
・文化遺産と自然遺産、両方の価値を兼ね備えているもので、登録基準(Ⅰ)~(Ⅵ)のいずれか1つ以上及び登録基準(Ⅶ)~ (Ⅹ)のいずれか1つ以上を認められている遺産。世界遺産条約には複合遺産についての定義はない。
・作業指針の中での複合遺産の定義
→世界遺産条約の第1条、第2条に規定されている文化遺産及び自然遺産の定義(の一部)の両方を満たす場合は「複合遺産」とみなす。
◯危機遺産
危機遺産=「危機にさらされている世界遺産リスト(危機遺産リスト)」に登録されている遺産。
・世界遺産条約に基づく援助がその遺産に対し要請されている場合、世界遺産委員会はその遺産を危機遺産リストに記載することができる。
・危機遺産リストへの登録基準には「確定された危機」と「潜在的な危機」があり作業指針の中で定められている。
・危機遺産リストに記載された場合、遺産の保有国は世界遺産委員会の協力のもと、保全計画の作成と実行が求められる。その際には世界遺産基金の活用や、世界遺産センターや各国の政府、民間機関などからの財政的・技術的援助を受けることができる。
・世界遺産委員会では危機遺産リストに記載された遺産の保全状況についてリアクティヴ・モニタリングを行い毎年審議する。
「緊急的登録推薦」=顕著な普遍的価値があることが明らかな暫定リスト記載の遺産で、危機に直面している遺産を通常の登録手順を取らず緊急的に登録すること。世界遺産登録と同時に危機遺産に登録される。
「世界遺産リストからの抹消」
①オマーンの「アラビアオリックスの保護地区」2007年抹消
→天然資源採取のため保護地区を90%削減する政策
②ドイツ「ドレスデン・エルベ渓谷」2009年抹消
→エルベ川に近代的な橋を建設することが決定し、景観破壊が起こる可能性から危機遺産リストに記載→橋の建設が始まり抹消。
③イギリス「海商都市リバプール」2021年抹消
→再開発により近代建築が混在するようになり、景観が損なわれたことによる。
■危機遺産については重要語句も多いので覚えるようにする。「海商都市リバプール」は最近抹消になったので調べておくと良いと思っています。
できれば抹消理由もおさえておくと理解も深まる。
◯負の遺産
「負の遺産」=近現代の戦争や紛争、人種差別など、人類が犯した過ちを記憶にとどめ教訓とされる遺産
・世界遺産条約では定義されていないため、どの遺産を「負の遺産」とするかは諸説ある。
ex)奴隷貿易の証拠「ゴレ島」や、ホロコーストの非人道性を伝える「アウシュヴィッツ・ビルケナウ」などが該当する。
おわりに
「世界遺産の定義」については、①文化遺産 ②自然遺産 ③複合遺産 ④危機遺産 ⑤負の遺産をそれぞれ説明できるようにしておく。そして各遺産について説明文にある重要語句は意味を含めて覚えるようにする。
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