【世界遺産】71時間目 宗教・信仰関連遺産(巡礼路)/(キリスト教カトリック)~ヨーロッパの世界遺産

こんばんは、みや兄です!世界遺産検定1級合格に向けての勉強シリーズです。

公式テキストである「すべてがわかる世界遺産大事典(上)(下)」を中心に自分の苦手ポイントメモなどを加えていきたいと思います。

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今日は71時間目ということで「71宗教・信仰関連遺産(巡礼路)/(キリスト教カトリック)」です

■宗教・信仰関連遺産(巡礼路)

◯モンサンミッシェルとその湾

(文)フランス 1979年/2007、2018年範囲変更

登録基準(Ⅰ)(Ⅲ)(Ⅵ)

場所 フランス・ノルマンディー地方。

歴史 ノルマンディー公リシャール1世がベネディクト会の修道院を創建。

特徴 ノルマンディー・ロマネスク建築の代表。聖堂の内陣はゴシック様式。地下礼拝堂はノートル・ダム・スー・テール聖堂

修道士の瞑想の場である最上階の回廊は約220本の円柱や繊細な彫刻が施されたアーチがあり、優美なゴシック建築を今に伝える。干潮時には陸続きになり、満潮時には海中に孤立する。

■レストラン「ラメールプラール」で出るオムレツも有名ですね。

Wikipedia→モンサンミッシェルとその湾

◯サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路:カミノ・フランセスとスペイン北部の道

(文)スペイン 1993年/2015年範囲拡大

登録基準(Ⅱ)(Ⅳ)(Ⅵ)

場所 イベリア半島の最西端にある「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」への道。

歴史 9世紀にアルフォンソ2世聖ヤコブの墓を発見。

特徴 スペイン北部を東西に貫く「道の遺産」

■1993年に登録された道は「カミノ・フランセス(フランス人の道)」と呼ばれている。2015年に北部の海沿いの道が拡大登録。

Wikipedia→サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路:カミノ・フランセスとスペイン北部の道

◯サンティアゴ・デ・コンポステーラ(旧市街)

(文)スペイン 1985年

登録基準(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅵ)

場所 スペイン北西部、キリスト教三大巡礼地の一つ。(残りの2つはエルサレムとバチカン)

歴史 9世紀にアストゥリアス王国のアルフォンソ2世が聖ヤコブを祀る聖堂を建設。10世紀にイスラム勢力により破壊される。

現在の大聖堂は1128年にロマネスク様式で建設開始。

特徴 「黄金に輝く傑作」とも呼ばれるチュリゲラ様式のファサード

「栄光の門」と呼ばれる大聖堂の正面門は彫刻家マテオが20年をかけて完成させた。

■ロマネスク、ゴシック、バロック(チュリゲラ)各様式の建物が立ち並ぶ。

スペインの巡礼路とフランスの巡礼路も世界遺産登録されているので3つ合わせて覚えると良い。

Wikipedia→サンティアゴ・デ・コンポステーラ(旧市街)

◯フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路

(文)フランス 1998年

登録基準(Ⅱ)(Ⅳ)(Ⅵ)

場所 フランスからスペインに抜ける4つの巡礼路と周辺資産。

歴史 キリスト教三大巡礼地の一つサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路。

特徴 4つの道の他に、トゥールにあるサン・ガディアン大聖堂、トゥールーズのサン・セルナン教会など。

アニャーヌのエルロー川に「悪魔の橋(ポン・デュ・ディアブル)」と呼ばれる中世フランス最古の構造を持つ橋。

■4つの道は「トゥール」「リモージュ」「ル・ピュイ」「トゥールーズ」の道。

単独で世界遺産登録されている「モンサンミッシェル」や「ヴェズレーのサント・マドレーヌ教会」「ブールジュのサンテティエンヌ大聖堂」「ピレネー山脈のペルデュ山のカヴァルニーにある小教区教会」なども構成資産。

Wikipedia→フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路

■宗教・信仰関連遺産(キリスト教カトリック)

◯ヴァティカン市国

(文)ヴァティカン 1984年

登録基準(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅳ)(Ⅵ)

場所 イタリア国内ローマ市内にある都市国家。

歴史 カトリック教会の中枢。ローマ教皇を国家元首とする。

聖ペテロの墓所があったとされるヴァティカンの丘にバシリカ風の教会が築かれた。

特徴 国全体が世界遺産登録されている唯一の場所

サンピエトロ大聖堂が立つヴァティカンの丘。

聖堂の改築はブラマンテを主任建築家に迎え始まり、死後はミケランジェロ・ブオナローティらに引き継がれ1626年に完成。

大聖堂の形状の変化

ブラマンテの草案→集中式プラン

ラファエロ→教皇の意向でラテン十字プラン

ミケランジェロ→再び集中式

17世紀初頭→再びラテン十字形に改築となった。

ミケランジェロ設計の円蓋(ドーム)は半球体だったが、ミケランジェロの死後に尖塔形で完成した。

17世紀の改築ではジャン・ロレンツォ・ベルニーニが「聖ペテロの司教座」や装飾や天蓋等を加える。

ヴァティカン宮殿にあるシスティーナ礼拝堂にはミケランジェロの「最後の審判」が。

■面積0.44㎢、人口約800人の世界最小の独立国。

Wikipedia→ヴァティカン市国

◯アヴィニョンの歴史地区:教皇庁宮殿、司教の建造物群、アヴィニョンの橋

(文)フランス 1995年

登録基準(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅳ)

場所 フランス南東部。ローヌ川東岸。

歴史 かつて教皇庁が置かれ(1309~1377年)カトリック世界の中心として栄えた都市。

14世紀初めにフランス国王フィリップ4世は教皇ボニファニウス8世と対立。

ボニファニウス8世死後は教皇クレメンス5世に圧力をかけ、1309年にアヴィニョンに教皇庁を移転させた。

特徴 教皇庁が移転されたことで多くの芸術家や貴族、文化人が訪れて洗練された街へ。

■ローヌ川に架かるサンベネゼ橋。

Wikipedia→アヴィニョンの歴史地区:教皇庁宮殿、司教の建造物群、アヴィニョンの橋

◯ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院とレオナルドダヴィンチの『最後の晩餐』

(文)イタリア 1980年

登録基準(Ⅰ)(Ⅱ)

場所 イタリア北部の大都市ミラノ。

歴史 15世紀半ばドミニコ会の修道院として建設。

15世紀末にドナーテ・ブラマンテがゴシック様式の建物にルネサンス様式の聖堂内陣を増築。

特徴 1497年完成のレオナルドダヴィンチの「最後の晩餐

テンペラと油彩画を合わせた新しい技法を採用→(完成後損傷が進んだ)

古典的なフィレンツェ絵画の技法とキアロスクーロ(明暗法)の融合による遠近感の演出。

■クイズによく出るサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会

「最後の審判」があるのはシスティーナ礼拝堂。「最後の審判」がサンタ・マリア・デッレ・クラツィエ教会。

Wikipedia→ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院とレオナルドダヴィンチの『最後の晩餐』

◯ピサのドゥオーモ広場

(文)イタリア 1987年/2007年範囲変更

登録基準(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅳ)(Ⅵ)

場所 イタリア中部トスカーナ地方。

歴史 古代ローマ時代から支配され続けていたが11世紀に自治都市に。

1063年パレルモ沖海戦に勝利。地中海航路の大半を支配下とし地中海貿易の拠点として栄える。

特徴 ドゥオーモ広場の大聖堂、鐘楼、洗礼堂、墓所。

・大聖堂 下層はロマネスク様式、上層はゴシック様式。二コラ・ピサーノ作の説教壇。

・鐘楼  「ピサの斜塔」として有名。

■海洋王国繁栄の歴史と有名な構成資産の大聖堂と鐘楼の特徴は抑えておく。

Wikipedia→ピサのドゥオーモ広場

◯アルコバサの修道院

(文)ポルトガル 1989年

登録基準(Ⅰ)(Ⅳ)

場所 ポルトガル

歴史 1143年ポルトガル国王アフォンソ・エンリケス1世により建設。

アフォンソ1世はアルコバサ周辺の開拓を委任する形で一帯をシトー会に譲渡。

→シトー会で影響力を持つ聖ベルナールから支援を得ようとした。

特徴 ポルトガルの初期ゴシック様式最大の建物。

■ペドロとイネスの悲恋も有名。墓は美しいゴシック様式で装飾されている。

Wikipedia→アルコバサの修道院

◯アッシジのサン・フランチェスコ聖堂と関連建造物群

(文)イタリア 2000年

登録基準(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)(Ⅳ)(Ⅵ)

場所 ローマの北約130km。

歴史 聖フランチェスコゆかりの建築物が並ぶ。

1997年の地震で聖堂は大きな被害を受けるも復興した。

特徴 サンフランチェスコ聖堂はゴシック様式建築の代表作。

聖フランチェスコの精神が宿る場所。

狭い山の斜面に建てられており、高く細長い構造。

■アッシジという地名が聞きなれないので遺産の特徴と一緒に覚えると思い出しやすい(はず)。

Wikipedia→アッシジのサン・フランチェスコ聖堂と関連建造物群

◯マウルブロンの修道院関連建造遺産群

(文)ドイツ 1993年/2019年範囲変更

登録基準(Ⅱ)(Ⅳ)

場所 ドイツ南部ザルツァハの谷

歴史 12~16世紀にかけて発展したドイツで最初のシトー修道院。1556年に神学校に。

特徴 聖堂は三廊式。縦に長いラテン十字形プランのロマネスク様式で創建された。

→13世紀初めにゴシック様式の柱廊玄関ホールなどが付け加わる。

■ヘルマンヘッセ、フリードリヒ・ヘルダーリンも学んだ地。

Wikipedia→マウルブロンの修道院関連建造物群

◯ランスのノートルダム大聖堂、サン・レミ旧修道院、トー宮

(文)フランス 1991年

登録基準(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅵ)

場所 フランス北部ランス。

歴史 496年にクローヴィスがフランク王国の国王として初めてキリスト教に改宗。以降歴代の王の戴冠式の場。

現在の大聖堂は1211年に着工。13世紀末に建物の主要部分が完成。

特徴 聖堂西正面に2,300体を超える彫像。天使像のレリーフ「諸王のギャラリー」「ランスの微笑み」

■サン・レミ修道院には大司教レミギウスの墓。17世紀末に建てられた大司教の邸宅である、大聖堂に隣接するトー宮。

Wikipedia→ランスのノートルダム大聖堂、サン・レミ旧修道院、トー宮

◯司教座都市アルビ

(文)フランス 2010年

登録基準(Ⅳ)(Ⅴ)

場所 フランス南部。

歴史 13世紀キリスト教異端派のカタリ派(アルビジョワ派)の拠点の一つ。

1209年フィリップ2世がアルビジョワ十字軍を結成。

南仏諸侯を撃破しアルビはカトリック教会が支配する司教座都市に。

特徴 世界最大のレンガ造りの教会建築サント・セシール大聖堂

■ベルビー宮殿、ポン・ヴィユー(古い橋)、サン・サルヴィ教会などが残る。

Wikipedia→司教座都市アルビ

◯バターリャ修道院

(文)ポルトガル 1983年

登録基準(Ⅰ)(Ⅱ)

場所 リスボンの北120kmほど。

歴史 1385年カスティーリャ軍に勝利したジョアン1世が1388年に修道院の建設を開始。16世紀に完成。

特徴 ポルトガル・ゴシックとマヌエル様式が融合した建造物。

「王の回廊」「未完の礼拝堂」などに2つの様式の調和が見られる。

「創設者の礼拝堂」には歴代の王やエンリケ航海王子が眠る。

■「バターリャ」はポルトガル語で「戦い」

Wikipedia→バターリャ修道院

◯ミュスタイアにあるベネディクト会の聖ヨハネ修道院

(文)スイス 1983年

登録基準(Ⅲ)

場所 スイス南東。アルプス山脈南側の険しい斜面のミュスタイアの谷。

歴史 8世紀カロリング朝の時に建てられた。

特徴 ベネディクト会の修道院。創建当時→木組みの天井に覆われた広い単一身廊に3つの礼拝堂。

15世紀の改築→2つの側廊と石複利の尖頭形穹窿(きゅうりゅう)を備えた後期ゴシック様式に。

内壁は9世紀初頭~12世紀に描かれたフレスコ画で埋め尽くされている。

→旧約聖書と新約聖書を題材に描かれた82場面のフレスコ画も発見された。

■穹窿=ドーム状の丸みをつけた天井

Wikipedia→ミュスタイアにあるベネディクト会の聖ヨハネ修道院

◯サン・ミリャン・ユソとスソの修道院群

(文)スペイン 1997年

登録基準(Ⅱ)(Ⅳ)(Ⅵ)

場所 スペイン北部。

歴史 6世紀から聖地として多くの巡礼者を集める。

10世紀に上の丘(スソ)にサン・ミリャン・デ・スソ修道院

11世紀に下の丘(ユソ)にサン・ミリャン・デ・ユソ修道院

特徴 この地で没した守護聖人ミリャンの修行場付近に建設された修道院。

スソ修道院から最古のカスティーリャ語の文献『サン・ミリャンの注記』が発見。

ユソ修道院はモサラベ、ロマネスク、バロックなどの様式が見られる。

■モサラベ=キリスト教徒でありながら文化的にイスラム化したスペイン人。

Wikipedia→サン・ミリャン・ユソとスソの修道院群

◯ポブレの修道院

(文)スペイン 1991年

登録基準(Ⅰ)(Ⅳ)

場所 スペイン東部カタルーニャ地方。

歴史 12世紀半ばこの地域のレコンキスタが完結。

バルセロナ伯ラモン・ベレンゲール4世がシトー会に土地を与え聖母マリアに捧げる修道院を建設。

特徴 スペイン最大規模のシトー会修道院

イスラム勢力の反撃に備えた君主の居館が併設。

カタルーニャとアラゴンの王をまつるパンテオン(神殿)も共存する構造。

■基となるのはレコンキスタ。イスラム教徒との争いが歴史背景にある遺産。シトー会の遺産というのもポイント。

Wikipedia→ポブレの修道院

◯サンタ・マリア・デ・グアダルーペ王立修道院

(文)スペイン 1993年

登録基準(Ⅳ)(Ⅵ)

場所 スペイン西部のグアダルーペ。

歴史 13世紀後半に聖母像が発見された場所に教会が建設。

カスティーリャ王アルフォンソ11世が教会を拡張。4世紀に渡り増改築が行われる。

特徴 黒い木彫りの聖母像が祀られているマリア信仰の中心。

■黒い木彫りの聖母像:キリスト教の聖人ルカが1世紀に彫ったとされ、8世紀にイスラム勢力から逃れたキリスト教徒が水辺に隠した。

Wikipedia→サンタ・マリア・デ・グアダルーペ王立修道院

◯修道院の島ライヒェナウ

(文)ドイツ 2000年

登録基準(Ⅲ)(Ⅳ)(Ⅵ)

場所 ドイツ南部コンスタンツ地方ボーデン湖にあるライヒェナウ島

歴史 9~11世紀にかけて建造された3つの修道院と聖堂が現存。

聖ゲオルク聖堂:9世紀創建。内部壁面に10~11世紀に描かれたキリストの8つの奇跡を描くフレスコ画。

聖ぺテロ・パウロ修道院:壁面のフレスコ画「キリストの栄光」は初期ロマネスク美術の傑作。

特徴 修道院には神学校や写本のための写字室、工房などがあり、ヨーロッパの芸術・文化の発信地役も務めた。

■信仰の布教だけでなく文化や芸術の発信地となった役割もあったことがキーポイント。湖にある島なのも特徴的と思うのでイメージして覚えたい。

Wikipedia→修道院の島ライヒェナウ

◯オロモウツの聖三位一体記念柱

(文)チェコ 2000年

登録基準(Ⅰ)(Ⅳ)

場所 チェコ東部の北モラヴィア地方オロモウツ旧市街のホルミー広場

歴史 1754年に完成した中欧を代表する宗教的記念碑。

11世紀に司教座が置かれ、街の文化財保有数はプラハに次ぐ。

特徴 聖三位一体記念柱は建築家ヴァーツラフ・レンダーと弟子たちが建造した。

■オロモウツ=三位一体と結びつける。

Wikipedia→オロモウツの聖三位一体記念柱

◯パンノンハルマの千年の歴史をもつベネディクト会修道院と周辺の自然環境

(文)ハンガリー 1996年

登録基準(Ⅳ)(Ⅵ)

場所 ハンガリー北西部。

歴史 10世紀末に創設されたハンガリー最古の修道院。

特徴 創建時はロマネスク様式、12世紀に焼失し、13世紀にゴシック様式で再建。

■修道院の東側に広がる美しい森も含めて世界遺産登録されている。

Wikipedia→パンノンハルマの千年の歴史をもつベネディクト会修道院と周辺の自然環境

おわりに

「宗教・信仰関連遺産(巡礼路)/(キリスト教カトリック)」については、まずはその成立した歴史背景を抑えておく。

そしてシトー会などの会派建造物とその様式を覚える。

世界遺産検定の他にも色々なジャンルの記事を書いてますので気になるジャンルがありましたら読んでいただけると幸いです。

これからも生活の役に立つ記事、楽しい記事を少しずつ書いていきたいと思います!

ではではー!

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