【世界遺産】世界遺産検定1級名物「ノリオとウメコの長文読解」を楽しむ②~2016年12月【番外編】
こんにちは、みや兄です。
今日は世界遺産検定の話ですが番外編ということで。
世界遺産検定1級には長文読解の問題があるんですが、その「ストーリーが超ぶっ飛んでいておもしろい」ので考察して皆さんに紹介していきたいと思います。
2016年の7月から始まった2人の物語。
初回の紹介はこちらから
【世界遺産】世界遺産検定1級名物「ノリオとウメコの長文読解」を楽しむ①~2016年7月【番外編】
今回は2回目、2016年12月の問題から。
〇まずは本文を見てみましょう。
今回も会社の同僚であるノリオとウメコのお話です。
前回同様、ノリオがウメコを誘うお話が始まりますが今回もまたまた内容が凄いですね。

〇それでは2人の会話を振り返ってみましょう
(※今回は少し妄想も激しめに入っていますが、皆さんの感想も聞いてみたいので私なりの感想を書いてみます。)
最初は無難にウメコに話題を振るノリオ。
『ハムレット』のチケットが取れたことで「一緒に行きませんか?」と軽くジャブを放ちます。
しかし、ここでウメコからいきなりのカウンターパンチが飛んできます。
…
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…
ウメコ「ごめんなさい、『ハムレット』はロンドンのグローブ座で観たし、デンマークの『クロンボー城』でも観たから、日本の舞台じゃ物足りなくて」
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…
ええ!?なんですと!?
これはいきなりの重量級カウンターパンチ!
「ごめんなさい、ハムレットは以前観たことあるから」だけでいいじゃないですか??
「ロンドンのグローブ座」とか「デンマークのクロンボー城」とか要らないじゃないですか!?
どうしてしまったんだウメコさん?
この半年で何が変わってしまったんだ?
もっと謙虚な女性だったような?
しかしイギリスのグローブ座やクロンボー城で『ハムレット』を観ているとは…
ウメコはどれだけお金持ちなの?
この会社が超一流企業なの?
実家が太いの?
考えれば考えるほどそんな別の疑問も出てきますが話を戻しましょう。
軽い気持ちで『ハムレット』を観に行こうと誘った後にマウントを食らったノリオの次の一言は…?
…
…
…
ノリオ「おー!さすがウメコさん。僕も英語の方が良いと思ったんです、実は。でも、グローブ座は分かるけど、なんでクロンボー城なんですか?」
ここ!ここのやりとりが今回の2人の会話のポイントです!
実はここには3つのポイントが隠されています。
①「おー!さすがウメコさん。」
この初手、完璧です。
あんな派手で激重なマウント話をされているのに初手でこの一言が出るのはノリオはすごい。
「おー!」という驚きの気持ちと「さすがウメコさん」という相手を立てつつ肯定する言葉。
これを自然に言い放てるのはすごいと思っていたのですが、
これはノリオの策略、彼は計算高いと感じたのが次の②と③の言葉です。
②「僕も英語の方が良いと思ったんです、実は。」
「僕も」というところがまずポイント。
この一言を入れることで共感するだけでなく、「ウメコさんと一緒の好き」なものを僕も感じていますよという気持ちが入りますよね。
そしてさり気ない「実は」もポイントです。
これを入れることで秘密の共有というか、「ウメコさんあなたにだけは言いますけど…」という自分の気持ちをさりげなく伝える。
前回の「ドアインザフェイステクニック」に続いて今回も心理的効果を活用したアプローチが光りますね。
あと自然に「英語の方が良いと思ったんです」というところでノリオは英語も堪能であることが読み取れます。
さらっと読んだだけだとウメコとのやり取りからポンコツのような感じにも見られてしまいますが、計算づくで動いていると思って読み解くと、ノリオって実は頭脳明晰で恋愛関係にも長けているのではないかと感じます。
そして、その後の締めの言葉。
③「でも、グローブ座は分かるけど、なんでクロンボー城なんですか?」
ここですね、ノリオの言葉に注目。
まずは「でも、グローブ座は分かるけど」というところ。
グローブ座はイギリスの有名な劇場。
歴史を辿ると分かりますが元々シェイクスピアに関連する劇場です。
現在再建されているグローブ座も「シェイクスピアズ・グローブ」という名前です。
(※上記リンク:Wikipediaの「シェイクスピアズ・グローブ」に飛びます)
ノリオの本心はこうだと推測されます。
「でも、グローブ座は(元々エリザベス女王時代のシェイクスピアが活動していたところから来ているから)分かるけど」
と、いうことです。
私が思うのは、上記の知識がノリオにあるのならば。
「なんでクロンボー城なんですか?」
と、いう言葉が出ることは不思議でたまりません。
ハムレットに出てくるエルシノア城のモデルがクロンボー城というのは、世界遺産検定受験者やクイズプレイヤーには常識だからです。
だから「グローブ座の知識を有しているノリオが、もっと由来が有名であるクロンボー城のことを知らないわけがない」と推測されます。
つまり、ノリオは「本当は知っているけどド派手にマウント取ってくるウメコは、こう言った方がきっと食いつくに違いない」と思って疑問形で聞いたのだと思うのです。
この「おー!さすがウメコさん。僕も英語の方が良いと思ったんです、実は。でも、グローブ座は分かるけど、なんでクロンボー城なんですか?」の言葉の中にノリオの想いとテクニックを感じることができます。
続きを見てみると、
ウメコ「ハムレットに登場するエルシノア城はクロンボー城がモデルなのよ」
はい、食いついたー!ノリオの狙い通り!
ウメコはきっとドヤ顔でノリオにクロンボー城の説明をしています。
それに対してノリオの反応。
ノリオ「へー、クロンボー城って世界遺産になってる、ジェームズ・オブ・セントジョージが設計した城ですよね?僕よく知ってるでしょ!」
ウメコ「それは(42)ね、国からして違うわ」
このやり取りでノリオは知っているのにわざと間違えたことを言ったりして、ウメコに花を持たせているのがわかります。
まず皆さんは「ジェームズ・オブ・セント・ジョージを知ってますか??」
世界遺産検定1級を勉強している方なら出てくると思いますが、この人が出てくるのはウェールズにある「グウィネズのエドワード1世王の城郭群」です。
なので、ネタバレになりますが(42)に当てはまる遺産名は「グウィネズのエドワード1世王の城郭群」になると思います。
クロンボー城はデンマークなのでウメコには「国からして違うわ」と言われる訳ですが、世界遺産マニアじゃないと分からないような人名をさりげなく出してウメコの反応を窺う。
ノリオは知識としても知っているし、旅行好きのウメコの関心もつかめることを知っての一言だと思います。
策士のノリオは次にこう続けます
ノリオ「えっと…今年はシェイクスピア没後400年だから世界遺産の街でも上演されたみたいですよ。まだまだあるので、一緒にどれか観に行きます?」
話しを少し変えつつ、しかしシェイクスピアからは離れず、そして「一緒にどれか観に行きます?」とさりげなく誘うところ。
ノリオのどんなに酷いことを言われても諦めないメンタルと、この積極的な姿勢は世の男性は見習うべきですね。
そんなノリオの言葉を受けたウメコ。
ウメコ「『ヴェニスの商人』の舞台になっている『ヴェネツィアとその潟』とか、『ロミオとジュリエット』の舞台になってる『ヴェローナの市街』とか行けたらいいなぁ」
ノリオが一緒に行きましょうって誘っていることに対してのこのアンサー。
これは好感触なのでは!?こう返されたらノリオじゃなくてもこう思いますよ。
すかさずノリオはこう言います。
ノリオ「僕はどっちでもいいですよ!『マクベス』の舞台のスコットランドでも良いですけど、ビール飲みたいし。」
ノリオの気持ちとしては「(ウメコさんと一緒に行けるなら)僕はどっちでもいいですよ!」というところ。
さらに『マクベス』の話題を盛り込むことで「相手に選択権を与えている中でさらに選択肢を増やす」ことも行っています。
これでウメコは少し断りにくくなっているというか、選択肢から選ぶなら…という考えもよぎると思います。
今回はバッサリと断っていないことからもノリオは期待しちゃいますよね。
しかし、次のウメコの言葉はこちら。
ウメコ「スコットランドといえばウイスキーだ と思うけど、ビールもいいわね!まぁ、いずれにせよノリオさんとは行かないけど」
ウメコは期待させといて返事はこれ!
…
…
…
でも、待てよ、これはこれでウメコの戦略?
本当はウメコもノリオと行きたいのでは?
ノリオの気を引くためのやり取りと思って振り返ってみましょう。
シェイクスピアのチケットの反応について、
「どうでもいい人」にあそこまで過剰にマウントを取るような返事をするか?
あの過剰なリアクションはノリオの気を引くため…?
ウメコはウメコで「しょうがないな、ノリオさんは」…みたいな?そんな感じに思ってるのでは?
母性に訴えかけるようなノリオをみて、ウメコは恋愛感情までいかないにしても少なからず好意を持っているのでは?
断らないふりをして断ったり、実はウメコもウメコでノリオの気を引いてるのでは?
その結果…。
ノリオ「じゃあせめて今夜一杯だけでも!」
ウメコ「それならいいわ!」
ノリオ「やった!」
…
…
…
って、結局また2人で行くんかい!!
…
またしてもノリオのドアインザフェイステクニック!
イタリアまでは一緒に行かないけど、飲みにくらいなら一緒に行っても良いわというウメコ。
なんなんだ!?この2人のやり取りはなんなんだ?!
こんなやり取りが世界遺産検定1級の中で行われているんですよ?これでは試験に集中できないじゃないか!(大体の人はちゃんと集中して解いてる)
ただ、このように世界遺産検定1級の物語を楽しむように読んでいけば、解くのも楽しくなると思うんですよね。
私も試験中にこういうことを考えながら解いていますが、爆速で問題は解いています。
しっかり物語を読んで解いている人はあまりいないので1人だけニヤニヤしながら試験を受けていると思いますが。
ノリオとウメコの物語、また読み解いていきたいと思います。
今日は「世界遺産検定1級名物「ノリオとウメコの長文読解」を楽しむ②~2016年12月」というタイトルでお送りしました。
もし、世界遺産検定1級を受験する方がおりましたらアドバイスや勉強法なども色々とやっておりますので良かったらどうぞ。
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【世界遺産】世界遺産検定1級“合格”できた!~「合格するための4つのポイント」
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【世界遺産】95時間目 「語呂合わせ:日本の遺産の登録基準」
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■クイズのオフ会などのお話
■世界遺産検定1級&マイスター勉強法
■美味しいラーメン店訪問記
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■ダイエットは無理しすぎないのが大事
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ではではー
次回⇒2017年7月のノリオとウメコへ続く。
みや兄Twitter→@miyabomber0101