【世界遺産】11時間目 日本の文化遺産①(平泉/日光の社寺)

こんばんは、世界遺産検定マイスターのみや兄です!世界遺産検定1級合格に向けての勉強シリーズです。

公式テキストである「すべてがわかる世界遺産大事典(上)(中)(下)」を中心に自分の苦手ポイントメモなどを加えていきたいと思います。

世界遺産検定1級 公式テキスト

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今日は11時間目ということで「11日本の文化遺産①(平泉/日光の社寺)」です

■日本の文化遺産①(平泉/日光の社寺)

◯平泉ー仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群ー

(文)日本(岩手県) 2011年

登録基準(Ⅱ)(Ⅵ)⇒覚え方:平泉の黄金風呂(ふろ⇒(ⅱ)(ⅵ))

◯登録基準(Ⅱ)

平泉は12世紀末の末法思想の広がりと共に興隆した浄土思想における仏国土(浄土)を、空間的に表現することを目指し築かれた。仏教と共に伝来した文化や理念、技術などが融合、発展して広がっていったことを証明している。

◯登録基準(Ⅵ)

浄土思想は12世紀の日本の死生観の形成に重要な役割を果たす。その思想が直接空間的に表現された建築や庭園群などの理念、意匠に反映。現在も宗教儀礼や民族芸能といった無形の芸術や芸能のなかに継承されている。

◯資産価値総論

藤原清衡をはじめとする奥州藤原氏3代によって産み出された景観

=浄土思想の宇宙観の中で浄土という概念を、自然の地形と寺院や庭園設計などで現世に再現することをめざした。

金鶏山を含む5つの資産で構成される(詳しくは後述の構成資産の概要で説明。)金鶏山は仏国土(浄土)の方角を象徴を持つ聖地とされ、山頂部に経堂などが置かれた。

12~13世紀の平泉が軍事ではなく文化交流に力を注ぐ奥州藤原氏による平和政治の中で発展し、藤原清衡らな抱いた死後に成仏したいという強い願望を今に与える。

◯歴史

11世紀末に藤原清衡が奥州の主要産出品の金などで蓄えた財力を背景に、「浄土思想」の宇宙観に基づく「現世の仏国土(浄土)」の実現を目指した。

1105年 清衡は中尊寺を造営。

1124年に金色堂を建立。阿弥陀如来の仏国土を表現する景観を作り上げる。

1128年に清衡が死去。2代基衡へ志は受け継がれ、慈覚大師円仁によって開かれた毛越寺が再興される。基衡は毛越寺を中心とする区画の計画的な整備を進めた。

基衡の死後は基衡の妻によって毛越寺の東に隣接する観自在王院も建立された。

3代秀衡の時代には藤原氏の居館の西に、阿弥陀如来の極楽浄土を表現する寺院である無量光院が造営された。

この完成により奥州の地にこの世の浄土を築くという清衡の理念は実現した。

1187年 源義経が秀衡の元へ身を寄せたが、4代泰衡は頼朝を恐れ義経を襲撃。しかし平泉は頼朝に侵攻され奥州藤原氏は滅亡することになる。

1226年に毛越寺(円隆寺)が火災で焼失。

1337年には中尊寺でも火災が発生、金色堂と一部の経蔵を除く多くの建造物が焼失した。

◯構成資産の概要

中尊寺=藤原清衡が建立した寺院。1126年の建立に関わる『供養願文』には奥州の戦で亡くなった人の霊を敵味方区別なく浄土へと導くとともに、辺境とされた奥州の地に現世の仏国土(浄土)を築こうとした清衡の強い願いが示されている。

金色堂=1124年に清衡が中尊寺境内の北西側に建立した阿弥陀堂。阿弥陀如来の仏国土(浄土)を表す方三間の仏堂建築は、同形式の阿弥陀堂建築の中では国内最古。中尊寺では唯一現存する創建当時の建造物。堂内の内陣には藤原3代の遺体と、4代泰衡の首級を納めた3つの須弥壇がある。

毛越寺=2代基衡が造営した寺院。堂宇と周囲の景観とともに、おもに薬師如来の仏国土(浄土)を表す浄土庭園が造成されている。

観自在王院跡=2代基衡の妻によって建立された寺院。大小の阿弥陀堂が林立していた庭園は、園池を中心とする浄土庭園で、背後の金鶏山と一体となった景観によって阿弥陀如来の極楽浄土を表していた。

無量光院跡=3代秀衡が12世紀後半に建立した寺院跡。平等院鳳凰堂がモデル。年に2回、4月と8月に仏堂背後の金鶏山山頂に夕日が落ち、建物全体が後光によって光り輝くように見える。これは観無量光院が現世における西方極楽浄土の観想を目的として造られたため

金鶏山=標高98.6m。古くから方位を示す目印とされ、居館を築く際にその位置関係が重視された。山頂には経塚が築かれ、各寺院の浄土庭園によって、仏国土(浄土)を空間的に表現する際に重要な役割を担っていた。

構成資産5つについては建立した人物やその役割を含めしっかりと覚える。藤原4代の覚え方は失礼なことを先に謝っておきますが「藤原氏キモいや」で覚えましょう。(キ→清衡 モ→基衡 い(ひ)→秀衡 や→泰衡)。

Wikipedia→平泉ー仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群ー

◯日光の社寺

(文)日本(栃木県) 1999年

登録基準(Ⅰ)(Ⅳ)(Ⅵ)⇒覚え方:日光、石の間、石はロック?(1、4は6) (※ロックは岩なので石ではない)

◯登録基準(Ⅰ)

二社一寺の建造物は天才的な芸術家によって造られ高い芸術性を持つ。

◯登録基準(Ⅳ)

東照宮、輪王寺大猷院は日本の権現造りを完成させた建造物。

神格化された自然環境を背景に、その前面の傾斜面に社殿を位置する配置は、日本の神社における代表的な景観構成のあり方を示している。

◯登録基準(Ⅵ)

東照宮は徳川家康の霊廟。この地域の建造物群は神道や仏教の特質を表し、周囲の自然環境と一体となって作り上げられる景観は、日本の宗教空間を受け継ぐ独自の神道思想と密接に関連する顕著な例。

◯遺産の概要

日光山を開山したのは修験道の高僧である勝道上人

「東照宮」「二荒山神社」「輪王寺」の二社一寺に属する建造物103棟が世界遺産に登録されている。

神道と仏教が融合した「神仏習合」の思想、山岳信仰と仏教が結び付いて生み出された修験道、亡くなった偉人を神として祀る「人物神」など、日本特有の信仰形態の歴史を物語るとともに、それらが混在した宗教的霊地として発展してきた日光の歴史を知る上で重要。

◯歴史

782年に勝道上人が男体山に登頂し日光山を開山。

日光山周辺は日本古来の神道と仏教思想が融合した「山岳信仰」の整地として発展。

室町時代に日光修験も最盛期を迎える。

※日光修験=日光山で行われてきた修験道のこと。

1590年に豊臣秀吉によって大部分の領地が没収され、山中の建造物は著しく荒廃。

江戸時代に徳川家康の側近の僧の天海が日光山の再興に着手。

徳川家康が亡くなると日光に葬られ、「東照社」が霊廟として造営された。

1634年に「寛永の大造替」と呼ばれる大改修を行い、現在のような権現造りを主体とする東照宮の姿が完成。

明治に入ると政府によって布告された「神仏分離令」により、日光山周辺の社寺は「二社一寺」に分離され、いくつかの建造物が移設された。

◯構成資産の概要

東照宮=1616年に創建された徳川家康の霊廟。本殿と拝殿の間を石の間で結ぶ「権現造り」の完成形とされる。構成資産には国宝8棟のほか、重要文化財34棟が含まれている。

二荒山神社=日光における山岳信仰が隆盛期を迎えた中世以降、その中心地として整備される。東照宮の造営に伴い1619年から本殿をはじめとする諸社殿が造営。23棟が重要文化財。※祭神(二荒山大神)についてはテキストを参照

輪王寺=766年に勝道上人が創建した「四本龍寺」を起源とする寺院。三仏堂に祀られる千手観音、阿弥陀如来、馬頭観音は、神仏習合の基本理念(本地垂迹説)ではそれぞれ二荒山大神と同一の存在と考えられている。慈眼堂は天海を祀る霊所。

◯具体的な資産価値

権現造=横長の拝殿と本殿の間をつなぎ一棟の建物とするもの。一番奥の本殿の床を拝殿より高くする。(輪王寺大猷院では石の間を「相の間」と称し、拝殿と相の間の高さは同じ)

陽明門=1636年に建造された東照宮の代表的建造物。高さ11.1m横幅7m。建物全体が装飾彫刻や文様で埋め尽くされている。一本だけ彫刻の模様が逆になっている「逆柱」がある。1654年には「檜皮葺」から「銅瓦葺」の屋根にし、先進的な防火技術が施されている。

八棟造=二荒山神社の本社本殿に取り入れられている。京都の「北野天満宮」などと同じ様式で、入母屋造りの屋根や破風、向拝などが複雑に入り組んだ構造、本殿と拝殿の間を石の間でつなぐ配置=後の権現造りの原型に。

■日光の社寺は「二社一寺」。構成資産について、遺産価値については東照宮の歴史をたどりながら、権現造りや八棟造りについても区別して覚える。勝道上人と天海についても間違えそうなので気を付ける。

Wikipedia→日光の社寺

おわりに

「日本の文化遺産①(平泉/日光の社寺)」については、平泉は藤原氏4代からその歴史の流れと共に発展してきたことを覚える。誰が何を造ったかは整理する。日光の社寺は二社一寺の情報を整理しておくことがまずは大事。

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