【世界遺産】21時間目 日本の自然遺産①(知床/白神山地)
こんばんは、世界遺産検定マイスターのみや兄です!世界遺産検定1級合格に向けての勉強シリーズです。
公式テキストである「すべてがわかる世界遺産大事典(上)(中)(下)」を中心に自分の苦手ポイントメモなどを加えていきたいと思います。
【世界遺産検定1級 公式テキスト】
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今日は21時間目ということで「21日本の自然遺産①(知床/白神山地)」です
■21日本の自然遺産①(知床/白神山地)
◯知床
(自)日本(北海道) 2005年
登録基準(Ⅸ)(Ⅹ)⇒覚え方:苦渋の選択、知床半島(9、10の選択)
◯登録基準(Ⅸ)
季節海氷による活発な生物活動が見られ、海と陸と川の相互作用が顕著。
◯登録基準(Ⅹ)
オホーツク海に突き出す半島で、中央の知床連山で東西の気温、降水量の違いが見られる。
◯遺産価値総論
この近海は地球上でもっとも低い緯度で海水が結氷する「季節海氷域」に位置し、周辺の海域に豊かな海洋生物を育む大きな要因になっている。
暖流の宗谷海流と寒流の東樺太海流の境界線に位置することも多種多様な魚類や海藻類が生育する大きな理由になっている。
海、陸、川に及ぶ独特の食物連鎖は極めて稀な例となっている。
陸上では変化に富む自然景観が広がり、様々な植生やシマフクロウ、オジロワシなどの希少生物を含む豊かな動物相を育む土壌となっている。
◯遺産の概要
①知床の歴史的背景
1万年前頃 知床半島に人が住みはじめる。
約1,200年前 大陸方面からオホーツク海沿岸を南下した海洋狩猟民族が知床に到達。
800年前 北海道全域で生活していた別の民族との吸収同化が進む。
アイヌ民族はその中で生まれ、シマフクロウやシャチ、ヒグマを神として崇敬する独自の信仰のもと、自然と共生する狩猟採集文化を育んでいた。
明治時代に北海道で開拓が進んだが知床半島は厳しい自然環境からほとんど影響を受けなかった。
1966年までにすべての開拓者が撤退している。1964年「自然公園法」に基づき国立公園に指定。
1977年 自治体によって開拓地跡を森林に復元することを目的とする「しれとこ100平方メートル運動」がスタート。日本における最初の「ナショナル・トラスト運動」として大きく発展した。
②季節海氷域
オホーツク海ではユーラシア大陸から流れ込む淡水のため、海面付近に塩分濃度の薄い層(厚さ50cm程度)が作られる。
オホーツク海では塩分濃度の異なる海水の層が保たれやすい。この塩分濃度の差で濃度の低い表層の海水のみ冷却されることが日本の海域のなかで唯一の季節海氷域となっている大きな要因と考えられている。
③知床の地形と気候
知床半島の中央部にある知床連山が東西を分断するように走っている。そのためオホーツク側のウトロ側と根室海峡に面する羅臼側では地形や気温、降雨量などの大きな差異が見られる。
ウトロ側は「海食崖」と呼ばれる断崖が続いている。知床連山から吹き下ろす風によって生じるフェーン現象と、暖流の宗谷海流の影響から気温は高く降雨量は少ない。主要産業は観光業。
羅臼側は比較的なだらかな海岸が広がる。夏場は太平洋から吹き込む湿った南東風が知床連山にぶつかることで雨が多く、海霧が発生するため気温が低い。主要産業は漁業。
◯具体的な遺産価値
①豊かな食物連鎖
知床の食物連鎖は他の地域に見られない特徴的な生態系。
冬になると海氷下で生じる低温の濃塩水(ブライン)の降下により活発化した対流によって、海中の下層や海底付近に蓄積されている栄養塩が海水面付近まで押し上げられる。
季節海氷がもたらす栄養分の循環によって生じる植物プランクトン大量発生に端を発する食物連鎖は、海洋生態系と陸上生態系が相互に関係しあい、海、森、川の連続する生態系を生み出している。(テキストP126の図を見るとわかりやすい)
②針広混交林と植物の垂直分布。
低標高地では、冷温帯性落葉広葉樹林、亜寒帯性常緑針葉樹林、さらに混成した針広混交林がモザイク状に分布。
海岸線から山頂にかけて標高に応じて温帯性から寒帯性までの様々な植生が見られる「植物の垂直分布」が特徴。
海岸線は温帯植物が群生、冷温帯性、亜寒帯性、針広混交林などが広がる。
さらに高標高の地域では、亜高山帯が続き、森林限界である標高1,100mをこえると低木林帯も見られる。
③多様な動物
知床近海は季節海氷域にも関わらず多彩な魚類、海藻類が生育している。
知床半島では海水・淡水合わせて約255種の魚類が確認されている。
淡水魚の7割は川から海に回遊する回遊魚。陸生哺乳類35種、海生哺乳類28種類、天然記念物のシマフクロウ、オジロワシなどの鳥類264種の生息が確認されている。天然記念物のオオワシの貴重な越冬地でもある。
■知床は季節海氷域がキーワード。食物連鎖、地形と気候の関係など。
Wikipedia→知床
◯白神山地
(自)日本(青森/秋田) 1993年
登録基準(Ⅸ)
◯登録基準(Ⅸ)
日本固有種のブナがほぼ純林をなし原始性の高い状態で分布している。日本のブナ林はヨーロッパの5~6倍の植物の多様性を示している。
◯遺産価値総論
白神山地は青森県と秋田県にまたがる山岳地帯の総称。総面積1,300k㎡のうち世界遺産登録範囲は169.71k㎡。
ほとんど人の手が入ってない原生的な姿を残したブナ林。
極相林=植物群落としての成長が進み、全体としての植物の種類や構造が大きく変化しなくなった森林。
白神山地のブナ林は多種多様な植物や生物が生息することから「動植物のサンクチュアリ」と呼ばれる。
①白神山地の地層と地形
地質は第三紀層で一部に古生層や花こう岩が露出。30度以上の急傾斜地が半分以上を占めている。
日本列島のなかでも極めて早いペースでの土地の隆起が始まり、今日まで続いている。
崩れやすい堆積層に大量の水分が染み込むことで頻繁に地滑りが生じる。繰り返し起こる地滑りは数多くの川や谷を形成し、最終的に山地の崩落を引き起こし複雑な地形を形成した。
②ブナの原生林(⇒テキスト参照)
◯遺産の概要
①世界有数のブナ原生林
日本のブナの分布域は氷河に覆われることなく、南部の地域に広く残っていたため氷期後の回復も早く、気候や生活等の違いからヨーロッパと比較して5~6倍の多様な植生が見られる。
②白神山地の植物相
秋田側で412種、青森側で506種の植物種が確認されている。
固有種のアオモリマンテマ、準固有種のツガルミセバヤ、ミツモリミミナグサなどの希少植物も含まれる。
過去の氷期に氷河に覆われなかったため、種の保存や移動、発達が進んだ「日華植物区系」に属する植物が大部分を占めている。
③白神山地の動物相
豊かな植生を背景に大型哺乳類、鳥類、昆虫などが数多く生息している。
中型哺乳類では多雪地帯で生息できないニホンジカやイノシシ以外は全て生息しているとされ、特別天然記念物のニホンカモシカなど14種類が確認されている。
鳥類は84種類が確認されている。天然記念物なクマゲラ、天然記念物で絶滅が危惧されているイヌワシなども含まれる。
他にも爬虫類7種、両生類9種、昆虫2,212種が確認されている。
■白神山地はブナ。地形の形成と、植物相、動物相を確認する。アオモリマンテマやクマゲラは世界遺産検定2級でも良く出る。
Wikipedia→白神山地
おわりに
「知床/白神山地」について、自然遺産は文化遺産と違って個別で覚えることは少ないけど、どのような登録基準で登録されたかを考え、その特徴を抑えておく。
世界遺産検定の他にも色々なジャンルの記事を書いてますので気になるジャンルがありましたら読んでいただけると幸いです。
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