【世界遺産】60時間目 墓・墳墓/通商と交易都市~ヨーロッパの世界遺産
こんばんは、みや兄です!世界遺産検定1級合格に向けての勉強シリーズです。
公式テキストである「すべてがわかる世界遺産大事典(上)(下)」を中心に自分の苦手ポイントメモなどを加えていきたいと思います。
Amazon→すべてがわかる世界遺産大事典(上)
Amazon→すべてがわかる世界遺産大事典(下)
今日は60時間目ということで「60墓・墳墓/通商と交易都市」です
■墓・墳墓
◯スクーグスシルコゴーデンの森林墓地
(文)スウェーデン 1994年
登録基準(Ⅱ)(Ⅳ)
◯場所 ストックホルム郊外
◯歴史 1914年にエリック・グンナル・アスプルンドとシーグルド・レーヴェレンツの設計によるもの。
◯特徴 20世紀初頭に建設された自然との調和をテーマにした共同墓地。
■その後、主要な施設である「森の火葬場」が完成した。
Wikipedia→スクーグスシルコゴーデンの森林墓地
◯チェルヴェテリとタルクィニアのエトルリア古代古墳群
(文)イタリア 2004年
登録基準(Ⅰ)(Ⅲ)(Ⅳ)
◯場所 イタリア中部のチェルヴェテリとタルクィニア。
◯歴史 紀元前9~前1世紀頃に古代エトルリア人が築いた大規模な墳墓の遺跡が残る。
◯特徴 地中海北部における最古の都市文明を創造し、発展させたエトルリア文化の頂点を示している。
■チェルヴェテリに隣接したバンディタッチャ墳墓は、道路が敷かれ区画整理された都市のように整然とした構成。
タルクィニアのモンテロッツィ地区では約6,000もの墳墓が発掘されている。
Wikipedia→チェルヴェテリとタルクィニアのエトルリア古代古墳群
◯シラクサとパンタリカの岸壁墓地遺跡
(文)イタリア 2005年
登録基準(Ⅱ)(Ⅲ)(Ⅳ)(Ⅵ)
◯場所 イタリアのシチリア東部にあるシラクサとパンタリカ
◯歴史 3,000年前に興った地中海文明の歴史的遺物が残る都市。
◯特徴 古代ギリシャ時代に造られた神殿や劇場、古代ローマ時代の円形闘技場、要塞などが残る。
■シラクサはローマの政治家キケロが「あらゆるギリシャ都市の中でも最も美しい」とたたえた街。
パンタリカは採石場の岩肌から紀元前13~前7世紀にかけての墓が5,000以上も見つかっており、ビザンツ時代の痕跡も残る。
Wikipedia→シラクサとパンタリカの岸壁墓地遺跡
◯イェリング墳墓、ルーン石碑と教会
(文)デンマーク 1994年/2018年範囲変更
登録基準(Ⅲ)
◯場所 デンマーク王国の発祥の地イェリング
◯歴史 960年頃ハーラル青歯王が国内をキリスト教化した。
◯特徴 異教の慣習である墳墓とキリスト教の象徴の教会が同じ場所にある。
■ルーン文字が刻まれた2基の石碑。
Wikipedia→イェリング墳墓、ルーン石碑と教会
◯青銅器時代のサンマルラハデンマキ墓群
(文)フィンランド 1999年
登録基準(Ⅲ)(Ⅳ)
◯場所 フィンランド南西部
◯歴史 紀元前1500年頃から紀元前500年頃に栄えた
◯特徴 青銅器時代の墓地が残る。花こう岩を平らに積み上げて築かれた33基の墓地が残る。
■古い石壁に囲まれた「フルート長石塚」
四角形をした「教会の床」
Wikipedia→青銅器時代のサンマルラハデンマキ墓群
◯カザンラクのトラキア人の古墳
(文)ブルガリア 1979年
登録基準(Ⅰ)(Ⅲ)(Ⅳ)
◯場所 ブルガリア中部のトラキア人の古墳。
◯歴史 紀元前6~前3世紀にかけて花開いたトラキア芸術の最高峰。
◯特徴 トラキア文化を伝える墳墓。
■玄室に男女2体の遺骨と色鮮やかな天井画が残されていた。
Wikipedia→カザンラクのトラキア人の古墳
◯スヴェシュタリのトラキア人の古墳
(文)ブルガリア 1985年
登録基準(Ⅰ)(Ⅲ)
◯場所 ブルガリア北東部
◯歴史 トラキア王と王妃を埋葬した紀元前3世紀頃の墳墓。
◯特徴 トラキア文化とヘレニズム文化の融合を示している。
■玄室の側壁には10体の華麗なカリアティードの彫像が施されている。
Wikipedia→スヴェシュタリのトラキア人の古墳
◯ペーチ(ソピアナエ)の初期キリスト教墓所
(文)ハンガリー 2000年
登録基準(Ⅲ)(Ⅳ)
◯場所 ハンガリー南部の街ペーチ
◯歴史 4世紀頃に造られた地下墓所。ペーチはかつてソピアナエと呼ばれたローマ帝国の属領。
◯特徴 初期キリスト教の建造物が数多く造られた街。
■地下には聖書をモチーフにした壁画で飾られた無数のカタコンベが存在している。
1782年に発見。世界遺産に登録されたのは全部で16の地下墓所。
Wikipedia→ペーチ(ソピアナエ)の初期キリスト教墓所
◯ステチュツィ:中世の墓碑の残る墓所
(文)クロアチア/セルビア/ボスニアヘルツェゴビナ/モンテネグロ 2016年
登録基準(Ⅲ)(Ⅵ)
◯場所 ボスニアヘルツェゴビナ、セルビア西部、モンテネグロ西部、クロアチアの中央部と南部に散在。
◯歴史 12~15世紀に築かれた墓所。
◯特徴 中世の墓地であるステチュツィ。28の墓所がシリアルノミネーションサイトとして世界遺産登録。
■ほとんどのステチュツィは石灰岩で造られており、表面に刻まれる装飾文字や文字は中世ヨーロッパやこの地方に特有の図像である。
Wikipedia→ステチュツィ:中世の墓碑の眠る墓所
◯ハル・サフリエニの地下墳墓
(文)マルタ 1980年
登録基準(Ⅲ)
◯場所 マルタの首都バレッタ郊外。
◯歴史 紀元前2500年頃に築かれたとされる墓所の遺跡。1902年に発見された。
◯特徴 3層構造で地下に延び、その下にある38室ある石室から約7,000体もの人骨が見つかる。
■部屋を結ぶ通路は入り組んだ迷路になっている。侵入者防止の仕掛けが随所に設けられていた。
当初は豊穣祈願の神殿として使用されていた遺跡。その後墓地となったと考えられており2,000年前に突然姿を消した古代マルタ人の文化を知るうえで重要。
Wikipedia→ハル・サフリエニの地下墳墓
◯エゲ(現代名ヴェルギナ)の考古遺跡
(文自複)国名 年/年範囲拡大
登録基準(Ⅰ)(Ⅲ)
◯場所 ギリシャ北部。
◯歴史 バルカン半島南部に興ったマケドニア王国に深い関わりを持つ。
◯特徴 丘陵地からはアレクサンドロス大王の父であるフィリッポス2世の墓とされる墳墓が見つかっている。
■1977年から始まった300基以上の古代墳墓の発掘調査では遺骨と共に紋章付きの金製の骨箱などの副葬品が出土。
フィリッポス2世の墓と推定されたことからマケドニア王国の首都エゲの可能性が強くなった。
Wikipedia→エゲ(現代名ヴェルギナ)の考古遺跡
■通商と交易都市
◯ヴェネツィアとその潟
(文)イタリア 1987年
登録基準(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)(Ⅳ)(Ⅴ)(Ⅵ)
◯場所 イタリア北東部のアドリア海に浮かぶ都市ヴェネツィア。118の島、176の運河、400以上の橋。
◯歴史 6世紀頃に人々が定住。
アルプスを越えて海に逃げ場を求めたウェネティ(ヴェネト人)が潟(ラグーナ)に都市を築いた。
8世紀にはヴェネツィア共和国として実質的な独立国となり、9世紀にサン・マルコ大聖堂が造られた。
15世紀にはオスマン帝国が強大となり地中海地域にも影響力を強めたためヴェネツィアの海上交易にも陰りが見え始める。
1797年にナポレオン1世による侵略を受けると自治都市としての独立を失い約1,100年続いた歴史に幕を下ろした。
◯特徴 832年に創建されたサン・マルコ大聖堂は一時火災により焼失したが1094年にビザンツ様式で再建された。
9世紀に建造されたドゥカーレ宮殿は14世紀にヴェネツィア共和国総督の邸宅へ改築された。
カナル・グランデに架かるリアルト橋は12世紀の木造の橋を起源とし、16世紀に石造りに改修された。
カ・ドーロはカナル・グランデに面して建つヴェネツィア・ゴシック様式の邸宅。
■「アドリア海の女王」といえばヴェネツィア、クイズに出ます。現在は地盤沈下が進んでいて救済活動も行われている。。
Wikipedia→ヴェネツィアとその潟
◯ポルトの歴史地区、ルイス1世橋とセラ・ド・ピラール修道院
(文)ポルトガル 1996年
登録基準(Ⅳ)
◯場所 ポルトガルの北部、ドウロ川河口。
◯歴史 12世紀から築かれた歴史的建造物が残る。(exポルト大聖堂)
14世紀から海洋通商の中心として発展。防備のために市壁が築かれる。
15世紀にエンリケ航海王子の海外進出を支援。
18世紀 ポートワインの輸出により繁栄が頂点に。
◯特徴 「フェルナンド王の市壁」と呼ばれる壁の内側の部分が世界遺産登録されている。
市壁:ローマ時代の遺跡を土台にして建てられたとされる市壁の門は4つのうち2つが現存。
ポルト大聖堂:12世紀にロマネスク様式で建造。入り口のバラ窓、聖堂内部は装飾タイルが施されたバロック様式の回廊。18世紀に作られた壮大な祭壇と、増改築が繰り返された。
→バロック様式の回廊はイタリア人建築家のニコロ・ナッゾーニ。
ボルサ宮:増築されたドームは八角形の鉄製アーチにガラスパネルがはめこまれる。
内部はアルハンブラ宮殿を手本にした、アラベスク模様のタイルが埋め尽くす「アラブの間」がある。
ルイス1世橋:ドウロ川に架かる19世紀後半にエッフェルの弟子によって築かれた橋。ドン・ルイス1世橋
セラ・ド・ピラール修道院:16世紀に創建された円形の修道院。現役の修道院で、ルイス1世橋などポルト歴史地区を見渡せる場所にある。
■ポルトの歴史地区はその「建造物群と特徴を整理して覚えておく」のが大事。建築様式はここ以外でも区別が必要なので整理したい。
Wikipedia→ポルトの歴史地区、ルイス1世橋とセラ・ド・ピラール修道院
◯ドゥブロヴニクの旧市街
(文)クロアチア 1979年/1994年範囲拡大、2018範囲異変更
登録基準(Ⅰ)(Ⅲ)(Ⅳ)
◯場所 クロアチア南部、アドリア海
◯歴史 7世紀初頭から海上交易の重要拠点として発展
13世紀に共和制の自治都市に。
◯特徴 城壁の囲まれた旧市街と城壁外の歴史地区の一部が登録。
ユーゴスラビア内戦で深刻なダメージ、その後復興を遂げつつある。
17世紀初頭に完成したラザレット(伝染病患者収容施設)
■「アドリア海の真珠」
Wikipedia→ドゥブロヴニクの旧市街
◯ボルガルの歴史的考古学的遺産群
(文)ロシア 2014年
登録基準(Ⅱ)(Ⅵ)
◯場所 ヴォルガ川の岸辺。(カマ川の合流点から約40km離れてる)
◯歴史 ヴォルガ・ボルガル文明が栄えた7~15世紀初期に考古遺跡が築かれた。
13世紀にジョチ・ウルス(キプチャク・ハン国)の最初の首都。
◯特徴 チュルク語族、フィン・ウゴル族、スラヴ人などの相互交流の影響がみられる。
構成資産 モスク、ミナレット、霊廟群、浴場跡、カザン・ハン国の宮殿跡、神殿、塁壁など。
タタールのイスラム教徒の重要な巡礼地の1つ
■文化交流の影響がキーワード。歴史からはロシアだけどモンゴルからの流れが見える。
Wikipedia→ボルガルの歴史的考古学的遺産群
◯ヘーゼビューとダーネヴィルケの国境の考古学的遺跡群
(文)ドイツ 2018年
登録基準(Ⅲ)(Ⅳ)
◯場所 シュレースヴィヒ峡谷を横切る土塁ダーネヴィルケの近くにある。
ダーネヴィルケはユトランド半島とヨーロッパ大陸を隔てる境界。
◯歴史 フランク王国とデンマーク王国の間にあり、ヨーロッパとスカンジナビア半島、北海とバルト海を結ぶ交易の拠点になった。
◯特徴 1~2千年紀初頭の道路、建物、墓地、港、交易都市などが遺跡に残る。
■「国境の」というところから交易の重要ポイントというところを覚える。
Wikipedia→ヘーゼビューとダーネヴィルケの国境の考古学的遺跡群
◯コルフの旧市街
(文)ギリシャ 2007年
登録基準(Ⅳ)
◯場所 アドリア海の入口に浮かぶコルフ(ケルキラ)島。
◯歴史 15世紀以降になるとアドリア海の奥に位置するヴェネツィア共和国の領土としてビザンツ帝国との交易路の安全確保に必要な島に。
◯特徴 戦略上重要な島であったことから各時代の列強に支配されてきた。
街に残る3つの城塞は16世紀にヴェネツィアにより建造されたもの。
■コルフは場所が重要なのでチェック。交易路の確保のための島というのがキー。
Wikipedia→コルフの旧市街
◯ボルドー、月の港
(文)フランス 2007年
登録基準(Ⅱ)((Ⅳ)
◯場所 フランス南西部のボルドー。
◯歴史 ローマ帝国の植民地時代に交易都市に。
12世紀にイングランドなどとの交易で一大商業都市に成長。
◯特徴 湾曲したガロンヌ川沿いに発展した交易都市。
現在の街並は18世紀の新古典主義の都市計画によるもので、ブルス広場や大劇場などが残る。
■サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路にも含まれる。
Wikipedia→ボルドー、月の港
◯中世市場都市プロヴァン
(文)フランス 2001年
登録基準(Ⅱ)(Ⅳ)
◯場所 フランス北部寄り
地中海とパリなどヨーロッパ北部の都市を結ぶ交通の要衝。
◯歴史 紀元前1~4世紀頃に古代ローマ帝国軍が築いた都市。
11世紀末にシャンパーニュ伯の領地後発展。
◯特徴 フランドル地方の毛織物、イタリアの香辛料、スペインの革製品、フランスのワインなどが売買。
プロヴァンではじめて定期市が開かれたサン・タユール教会や19世紀に地元の富豪が寄贈したガルニエ庭園など。
■中世の商業都市の面影が残るプロヴァン。
Wikipedia→中世市場都市プロヴァン
◯ベルギーとフランスの鐘楼群
(文)フランス/ベルギー 1999年/2005年範囲拡大
登録基準(Ⅱ)(Ⅳ)
◯場所 フランス北部、ベルギーのフランドル地方、ワロン地方。
◯歴史 11世紀から17世紀の鐘楼が数多く残る。1999年に登録され、2005年にフランス北部のものが登録された。
◯特徴 現在は55の鐘楼が世界遺産に登録されている。
■トランスバウンダリーだがその遺産登録までの形成過程も覚えておくと良い遺産。
Wikipedia→ベルギーとフランスの鐘楼群
おわりに
「墓・墳墓」については、どの地域でどのような人物がいたか、キーワードも特徴的なのでそこを重視して覚える。
「通商と交易都市」については地名、構成資産、その都市の交易関係をおさえて覚えていきたい。
世界遺産検定の他にも色々なジャンルの記事を書いてますので気になるジャンルがありましたら読んでいただけると幸いです。
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