【世界遺産】68時間目 文化的景観①~ヨーロッパの世界遺産
こんばんは、世界遺産検定マイスターのみや兄です!世界遺産検定1級合格に向けての勉強シリーズです。
公式テキストである「すべてがわかる世界遺産大事典(上)(下)」を中心に自分の苦手ポイントメモなどを加えていきたいと思います。
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今日は68時間目ということで「68文化的景観①」です
■文化的景観①
◯オルチア渓谷
(文)イタリア 2004年 文化的景観
登録基準(Ⅳ)(Ⅵ)
◯場所 イタリア中部のトスカーナ地方。
◯歴史 14~15世紀に都市国家シエナによって開墾された際に形成された田園風景が残る。
◯特徴 丘陵や集落を結ぶ道に沿って糸杉が植えられる。
人間による開発が自然の美しさをさらに高めた理想的な例とされる。
■ルネサンス期の理想的な農村風景は人の手も加わって作り上げられたことを覚える。写真をみると本当にキレイな風景。
Wikipedia→オルチア渓谷
◯ポルトヴェーネレ、チンクエ・テッレと小島群(パルマリア島、ティーノ島、ティネット島)
(文)イタリア 1997年 文化的景観
登録基準(Ⅱ)(Ⅳ)(Ⅴ)
◯場所 イタリア半島北西部、リグリア海の海岸線にある。
◯歴史 11世紀以降、小さな集落が集まってできた村落。12世紀後期にサン・ロレンツォ聖堂が建造される。
◯特徴 岬や入り江などが入り組んだ海岸線上の切り立った崖に吸い付くように築かれていった。
狭い土地が有効に利用された集落群。不便な崖を階段状に切り開き、オリーブ、オレンジ、ブドウなどの畑地を開墾して産み出された景観が広がる。
■ポルト・ヴェーネレはイタリア語で「ヴィーナスの港」の意味。
イタリア語で「5つの地」と呼ばれるのがチンクエ・テッレ。語源はクイズにもよく出るので覚えておきたい。
Wikipedia→ポルトヴェーネレ、チンクエ・テッレと小島群(パルマリア島、ティーノ島、ティネット島)
◯アマルフィ海岸
(文)イタリア 1997年 文化的景観
登録基準(Ⅱ)(Ⅳ)(Ⅴ)
◯場所 イタリア南部のソレント半島。
◯歴史 9~10世紀に創建されたアマルフィ大聖堂は中世に雰囲気を色濃く残す。
大聖堂に隣接する「天国の回廊」は13世紀頃の創建。聖堂と同じアラブ・ノルマン様式。
◯特徴 小さな砂浜と切り立った断崖に張り付くように立つ家々が特徴的。
■斜面に並ぶ街は特徴的。聖堂とその建築様式は覚えておきたい。映画にもなったアマルフィ。
Wikipedia→アマルフィ海岸
◯ピレネー山脈のペルデュ山
(複)スペイン/フランス 1997年/1999年範囲拡大 文化的景観
登録基準(Ⅲ)(Ⅳ)(Ⅴ)(Ⅶ)(Ⅷ)
◯場所 フランスとスペインにまたがるピレネー山脈のほぼ中央にそびえるペルデュ山一帯。
◯歴史 スペイン側では現在ではほとんど行っていない放牧も続いている。
◯特徴 雄大な自然の中に希少な野生生物が暮らす地域。
スペインアイベックスやピレネーグマなどが生息。
■複合遺産なのでチェックしておく。ヨーロッパ最高峰の石灰岩の山であることも抑える。
Wikipedia→ピレネー山脈のペルデュ山
◯クルスキー砂洲
(文)リトアニア/ロシア 2000年 文化的景観
登録基準(Ⅴ)
◯場所 バルト海沿岸。
◯歴史 5,000年前から形成された砂洲。
先史時代から厳しい環境の中で人々が暮らす地域は文化的景観が認められた。
◯特徴 リトアニアとロシアに跨る98kmの巨大な砂洲。
リトアニア側にはヨーロッパ最大のニダ砂丘。
■リトアニアとロシアのトランスバウンダリー。「くるす君が好きな砂洲」で覚えています。
Wikipedia→クルスキー砂洲
◯ヴェガエイヤン:ヴェガ群島
(文)ノルウェー 2004年/2017年範囲変更 文化的景観
登録基準(Ⅴ)
◯場所 北緯66度、ノルウェー中部西海岸一帯の6,500もの島々。
◯歴史 9世紀にはケワタガモの羽毛の売買が重要な産業となって人々の収入減になっていた。
◯特徴 漁村、波止場、灯台、ケワタガモの飼育場・倉庫、農地など自然に溶け込んだ文化的景観。
■ヴェガ諸島はケワタガモが主要産業だったことを抑えておきましょう。
Wikipedia→ヴェガエイヤン:ヴェガ群島
◯セント・キルダ諸島
(複)イギリス 1986年/2004、2005年範囲拡大 文化的景観
登録基準(Ⅲ)(Ⅴ)(Ⅶ)(Ⅸ)(Ⅹ)
◯場所 スコットランドの北西約180kmにあるイギリス領。
◯歴史 約6,000万年前前の火山活動で生まれた島。諸島内最大のヒルタ島では2,000年以上前の巨石遺跡も発見されている。
◯特徴 海鳥の繁殖地となっておりニシツノメドリ、シロカツオドリ、フルマカモメなど約100万羽が営巣。
■複合遺産であることと、年間上陸数が制限されていることを抑えておく。
Wikipedia→セント・キルダ諸島
◯シンクヴェトリル国立公園
(文)アイスランド 2004年 文化的景観
登録基準(Ⅲ)(Ⅵ)
◯場所 レイキャビクの北東約50km。
◯歴史 930年に始まった世界最古の議会「アルシング(全島集会)」
◯特徴 世界で2カ所しか存在しない「ギャオ」と呼ばれる地表に現れた大陸プレートの割れ目が見られる。
■クイズに出る要素がたくさん入っている世界遺産なので有名かも。
Wikipedia→シンクヴェトリル国立公園
◯ホルトバージ国立公園:プスタ(大平原)
(文)ハンガリー 1999年 文化的景観
登録基準(Ⅳ)(Ⅴ)
◯場所 ハンガリー東部、ドナウ川とティサ川流域に広がるプスタ(大平原)の一角。
◯歴史 中世以来放牧地として利用された地。現在は自然保護区。
ホルトバージの街の近くにハンガリー最古で最長の9つのアーチを持つ石橋や18~19世紀の旅籠などがある。
◯特徴 湿地林、三日月湖、沼地、草原が広がる。
300種を超えるヨーロッパ有数の野鳥の生息地。
■※まとめ~他の人にこの世界遺産を説明するならどう説明するか
Wikipedia→ホルトバージ国立公園:プスタ(大平原)
◯サン・テミリオン地域
(文)フランス 1999年 文化的景観
登録基準(Ⅲ)(Ⅳ)
◯場所 フランス南西部アキテーヌ地方。
◯歴史 紀元前27年、古代ローマ初代皇帝アウグストゥスがブドウ栽培を持ち込んだのが始まり。
11世紀以降、多くの教会堂や修道院、宿泊施設が建設された。
12世紀、アキテーヌを治めていた女王アリエノール・ダキテーヌがアンジュリー伯アンリと再婚。
アンリがヘンリー2世としてイングランド王に→この地はイングランド領に→イングランドの王族や貴族たちを魅了するワイン。
◯特徴 サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼道も通っている。
ロマネスク様式の教会の他にモノリス教会が残る。
サンテミリオンの由来である聖エミリオンの弟子たちが一枚岩をくりぬいて作ったとされる。
石灰石の地層は水はけも良くブドウ栽培に適しており、ボルドーワインの中でも高級ワインである。
■ブドウ畑と中世の街並みが調和。この地のブドウ栽培の歴史と世界史としての流れを考えながら覚えるとわかりやすい。
Wikipedia→サン・テミリオン地域
◯ブルゴーニュのブドウ栽培の景観
(文)フランス 2015年 文化的景観
登録基準(Ⅲ)(Ⅴ)
◯場所 フランス中央部東よりのブルゴーニュ地方。ディジョン南部のコート・ドゥ・ボーヌとコート・ドゥ・ニュイの丘陵地。
◯歴史 銘醸ワインの原料となるブドウ栽培畑の区画「クリマ」が登録された。
◯特徴 クリマは地質や日照時間などの自然状況が違い、人々の農業開拓の営みによって形作られた。
ボーヌに代表されるブドウ栽培とディジョンに代表されるクリマ・システムの形成の2つの側面がある。
■区画「クリマ」はこの後に出てくる「コネリアーノの~」に出てくる「チリオーニ」と間違えやすいので区別必須。
Wikipedia→ブルゴーニュのブドウ栽培の景観
◯シャンパーニュの丘陵、醸造所と貯蔵庫
(文)フランス 2015年 文化的景観
登録基準(Ⅲ)(Ⅳ)(Ⅵ)
◯場所 フランス北東部のシャンパーニュ地方。
◯歴史 言わずと知れたスパークリングワイン「シャンパン」の産地。
17世紀初頭から19世紀の初期産業化の時期にスパーリングワインの製造方法が産まれ発展した。
職人たちの技術の発展を証明し、農業関連産業として確立したことを証明している。
◯特徴 3つの世界遺産構成地区。
①オーヴィイェとアイ、マルイユ・シュール・アイのブドウ畑。
②ランスにあるサン・ニケーズの丘。
③エペルネにあるシャブロール要塞とシャンパーニュ大通り。
■※まとめ~他の人にこの世界遺産を説明するならどう説明するか
Wikipedia→シャンパーニュの丘陵、醸造所と貯蔵庫
◯ラヴォー地域のブドウ畑
(文)スイス 2007年 文化的景観
登録基準(Ⅲ)(Ⅳ)(Ⅴ)
◯場所 ローザンヌからシヨン城までの約30㎞にわたるレマン湖北東側の斜面にブドウ畑段丘が続く。
◯歴史 古代ローマ時代からブドウ栽培が行われている。
現在のような形の畑は11世紀頃から造られ始めた。
◯特徴 段々畑が増え、ワイン造りのための開発で湖畔が徐々に開発。
→急斜面のブドウ畑の間に民家やワイン工場が点在する独特の景観に。
■千年前からの歴史がある、独特の景観が広がるブドウ栽培関連の遺産。
Wikipedia→ラヴォー地域のブドウ畑
◯ピーコ島のブドウ栽培の景観
(文)ポルトガル 2004年 文化的景観
登録基準(Ⅲ)(Ⅴ)
◯場所 ポルトガルのアゾレス諸島で2番目に大きな火山島がピーコ島。
◯歴史 15世紀に入植者たちが作ったワイン用ブドウ園が広がる。
◯特徴 作物を守るための直線状の石壁が築かれている。石壁で長方形に区切られた地域に耕地や住居が密集。
19世紀の領主の邸宅、ワイン貯蔵室、教会、港などが今も残る。
■※まとめ~他の人にこの世界遺産を説明するならどう説明するか
Wikipedia→ピーコ島のブドウ栽培の景観
◯アルト・ドウロのワイン生産地域
(文)ポルトガル 2001年 文化的景観
登録基準(Ⅲ)(Ⅳ)(Ⅴ)
◯場所 ポルトガル北部。ドウロ川上流のアルト・ドウロ地域。
◯歴史 2,000年の歴史を持つワインの生産地。
◯特徴 夏は暑く冬が寒冷、年間降水量も少ないためブドウの栽培が盛んであった。
村に点在する伝統的なワイン製造の施設が住民の生活風景と融合して文化的景観を形成している。
■ここでのワインが河口のポルトまで運ばれポートワインとなる。
Wikipedia→アルト・ドウロのワイン生産地域
◯トカイ地方のワイン産地の歴史的文化的景観
(文)ハンガリー 2002年 文化的景観
登録基準(Ⅲ)(Ⅴ)
◯場所 ハンガリー北東部、ティサ川流域のトカイ地方
◯歴史 1,000年以上にわたるワインの歴史を今に伝えている。
フランス国王ルイ14世が「ワインの王」と絶賛した。
◯特徴 世界三大貴腐ワインの一つアスーワインの産地。
■世界三大貴腐ワインはクイズによく出ます。ソーテルヌ(フランス)トロッケンベーレンアウスレーゼ(ドイツ)
Wikipedia→トカイ地方のワイン産地の歴史的文化的景観
◯ピエモンテのブドウ園の景観:ランゲ・ロエロとモンフェッラート
(文)イタリア 2014年 文化的景観
登録基準(Ⅲ)(Ⅴ)
◯場所 イタリア北部ピエモンテ州南部。北はポー川、南はリグリア・アルプスの中間地域。
◯歴史 紀元前5世紀頃エトルリア人とケルト人の交易地だった。
何世紀にもわたるブドウ栽培とワイン造りの過程。カヴール城からなる。
◯特徴 ブドウ栽培の発展及びイタリア史において重要な位置を占め、イタリアワインの歴史を伝える景観。
■※まとめ~他の人にこの世界遺産を説明するならどう説明するか
Wikipedia→ピエモンテのブドウ園の景観:ランゲ・ロエロとモンフェッラート
◯コネリアーノとヴァルドッビアーデネのプロセッコ栽培丘陵群
(文)イタリア 2019年 文化的景観
登録基準(Ⅴ)
◯場所 イタリア北東部。
◯歴史 何世紀もの間岩だらけだった。17世紀以降「チリオーニ」の利用で傾斜にあわせたブドウの列が見られる。
◯特徴 チェス盤のような独特な景観。 「ホックバック」と言われる丘陵地。
「チリオーニ」と呼ばれる狭い草だらけの台地の上の小区画に栽培されているブドウ、森、小さな村、農場。
■「ベルッセラ」というブドウの栽培法→背の高いブドウの木を左右に並べてトンネルのように枝を張らせていく栽培法。
世界遺産オンラインガイド→コネリアーノのプロセッコ栽培丘陵群
おわりに
「文化的景観①」については景観の特徴を前提に、このパートは「ブドウ栽培」についての区別と、歴史や文化を理解しながら覚えることが大事だと思うので場所と特徴を整理して丁寧覚えたい。
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